経済学入門(11) 経済成長と寄与度のデータ分析

2015/08/17の8:50に,2015年4~6月期の四半期GDP速報(1次速報)が発表されました。実質GDPの成長率は-0.4%と三期ぶりにマイナスとなり,景気の回復傾向が「踊り場」にさしかかったと見られています。GDPがマイナス成長となった要因としては,個人消費の落ち込みや,中国経済の停滞による(日本の中国に対する)輸出の減少であるといわれています。それでは,実際にこれらの要因はGDP成長率にどのくらいの影響を与えていたのでしょうか。

ここでは,2015年第二四半期の四半期GDP速報(1次速報)を用いて,支出面から見たGDPの各項目が経済成長に対してどれだけ寄与していたかを見ていくことにします。

四半期GDP速報のデータから,経済成長率や寄与度を計算する方法についてこれまで解説をしてきたので,読者のみなさんは練習問題として実際に自分でデータをダウンロードしてExcelを使って計算してみてください。以下には,2013年以降の計算結果だけを掲載しておきます。

経済成長率 寄与度
民間最終
消費支出
民間投資 政府最終
消費支出
公的投資 財貨・サービス
の純輸出
開差
2013/ 1- 3. 0.013 0.007 -0.003 0.002 0.002 0.005 0.000
4- 6. 0.006 0.006 -0.001 0.001 0.001 0.001 -0.001
7- 9. 0.006 0.002 0.005 0.000 0.002 -0.003 0.000
10-12. -0.002 -0.001 0.003 0.000 0.000 -0.004 0.000
2014/ 1- 3. 0.011 0.012 0.002 0.000 0.000 0.000 -0.003
4- 6. -0.019 -0.030 0.001 0.000 0.000 0.007 0.002
7- 9. -0.003 0.002 -0.007 0.001 0.001 0.002 -0.001
10-12. 0.003 0.002 -0.002 0.001 0.000 0.004 -0.001
2015/ 1- 3. 0.011 0.002 0.009 0.001 0.000 0.000 0.000
4- 6. -0.004 -0.004 0.001 0.001 0.001 -0.004 0.001

また,2010年以降に焦点を絞ってグラフを作成すると,以下のようになります。

kiyodo

このグラフは,日経新聞などでもよく見かけるグラフです。経済成長率は折れ線で表され,GDPの各項目の寄与度が積み上げ棒グラフになっています。

なお,経済成長率と寄与度(Excel)に1994年以降の全期間に関する計算結果とグラフがありますので,参考にしてください。

実際に,2015年第二四半期のデータを見てみると,経済成長率はマイナスに落ち込んでおり,なかでも民間消費と純輸出が減少していることがわかります。このデータは,冒頭で書いた個人消費の落ち込みや,中国経済の停滞による輸出の減少がマイナス成長の要因であるということを裏付けています。

もう一点着目すべきなのは,民間消費が2014年第一四半期に大きく増加し,第二四半期に大きく減少していることです。ご存じの通り,2014年4月1日に消費税が8%に増税されました。第一四半期に民間消費が増加しているのは,消費増税前の駆け込み需要です。消費増税後にはその反動で民間消費が大きく減少しており,それにより経済成長率も大きなマイナスとなっていることがわかります。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です