経済学入門(9) GDPの帰属計算について

四半期GDP速報のデータを見ると,「持ち家の帰属家賃」というものがGDPに含まれていることがわかります。「帰属」とは何を意味しているのでしょうか。

もし,あなたが家主に家賃を支払ってアパートに住んでいるとしましょう。この場合,賃貸住宅の市場において,家主はアパートを貸すというサービスを生産しており,あなたはそのサービスを購入しているということになるため,家賃の支払いはGDPに計上されます。

それでは,自分の持ち家に住んでいる場合にはどうなるでしょうか。持ち家であれば,家賃を支払う必要はありません。すなわち,持ち家であれば,住宅費はかからないということでしょうか。

持ち家は,自分がその家に住まない場合,だれかに貸すことでその家賃が収入として得られます。そこに自分が住むということは,その家賃を自分が(自分に)支払っているということと同じだと考えることができます。国民経済計算では,持ち家であっても,持ち主が自分自身に家賃を支払っていると想定して,その金額(家主が違っていれば支払われていたであろう家賃)をGDPに計上しています。

このように,市場取引が行われているわけではないものを,市場取引が行われたと想定して付加価値を算出することを,帰属計算といいます。支出面から見たGDPで見たように,持ち家の帰属家賃はおよそ50兆円が計上されており,GDPのおよそ10%を占めています。

ほかにも,農家が生産して市場で販売せずに自家消費したものなども,帰属計算されてGDPに計上されています。

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