経済学入門(10) 経済成長率に対する寄与度

経済成長率に対して,GDPの各項目がどの程度の影響を与えているかを表した数値を寄与度といいます。支出面から見たGDPは,だれがどのような目的で支出したかによって,さまざまな項目に分類されますが,それらの項目の寄与度をすべて合計すれば経済成長率(GDPの成長率)になります。

支出面から見たGDPは,大きく以下の項目に分類することができました。

  • 民間消費(C)・・・民間最終消費支出
  • 民間投資(Ip)・・・民間住宅,民間企業設備,民間在庫品増加
  • 政府消費(G)・・・政府最終消費支出
  • 公的投資(Ig)・・・公的固定資本形成,公的在庫品増加
  • 純輸出(NX)

このことを式で表すと,以下のようになります。
① \( Y_(t)=C_{(t)}+Ip_{(t)}+G_{(t)}+Ig_{(t)}+NX_{(t)} \)

ここで,\((t)\)という添え字は,\(t\)という時点を表します。たとえば,\(Y_{(t)}\)というのは,\(t\)期のGDPの金額ということです。当然のことながら,一期前のGDPは以下のように表されます。
② \( Y_{(t-1)}=C_{(t-1)}+Ip_{(t-1)}+G_{(t-1)}+Ig_{(t-1)}+NX_{(t-1)} \)

ここで,①式から②式を引きます。
③ \( Y_{(t)}- Y_{(t-1)}=[C_{(t)}-C_{(t-1)}]+[Ip_{(t)}-Ip_{(t-1)}]\\ \phantom{000000000000}+[G_{(t)}-G_{(t-1)}]+[Ig_{(t)}-Ig_{(t-1)}+[NX_{(t)}-NX_{(t-1)}] \)

③式の両辺を\(Y_{(t-1)}\)で割り算します。
④ \( \frac{Y_{(t)}- Y_{(t-1)}}{Y_{(t-1)}}=\frac{C_{(t)}-C_{(t-1)}}{Y_{(t-1)}}+\frac{Ip_{(t)}-Ip_{(t-1)}}{Y_{(t-1)}}+\frac{G_{(t)}-G_{(t-1)}}{Y_{(t-1)}}+\frac{Ig_{(t)}-Ig_{(t-1)}}{Y_{(t-1)}}+\frac{NX_{(t)}-NX_{(t-1)} }{Y_{(t-1)}}\)

④式の左辺は,定義からGDPの成長率となります。すなわち,④式は経済成長率を右辺の各項に分解することができることを表しています。右辺第一項は,経済成長率のうち,民間消費が増加したことによる部分であり,これを経済成長率に対する民間消費の寄与度と呼びます。同様に,右辺第二項は民間投資の寄与度,第三項は政府消費の寄与度,第四項は公的投資の寄与度,第五項は純輸出の寄与度です。

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